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山形県は秋田県や宮城県、福島県、新潟県と接しており、これらの県と密接な関りがあります。そして西には日本海が広がり、東には奥羽山脈がそびえています。
山形県側の奥羽山脈は丘陵地帯が広がる宮城県側とは異なり、急峻な山並みが続きますす。そのため山形県の母なる最上川を始めとし、いくつもの川が豊かに日本海に向かって流れています。
山形県の地理から解るように、沿岸部・平野部・山間部では、全く違う性質の気候となるのです。
沿岸部は海洋性気候の多雨多湿で、冬には北西の強い季節風が吹きます。そして内陸部は一日の寒暖差が激しく、山形市を中心とする平野部は少雪で少雨ですが、奥羽山脈の一部である蔵王のような山間部は多雪となります。
主な食材は、ブランド米の『はえぬき』や『つや姫』などに代表されるように、お米が挙げられます。そのほかサトイモやコンニャクも欠かせない食材です。麺類は、昔からのそば、現代では地域ごとに工夫を凝らしたラーメンが有名です。
そしてサクランボやブドウ、モモなどの果物も人気です。
いも煮は、サトイモを中心にコンニャクやキノコ類、ネギなどの季節の野菜とお肉を使った鍋料理。ひとくち食べると、ほっこりした優しい気持ちになります。ルーツは、江戸時代の京都との文化交流にあるとされています。周辺の県でも食されていますが、山形県では300年前から地域の親睦を深めるための大鍋を囲む「芋煮会」が行われてきました。
山形県内でも地方によって味付けやお肉の種類が変わります。庄内地方は「みそ味の汁に豚肉」、内陸地方は「しょうゆ味の汁に牛肉」で、微妙な味の違いを楽しむのも一興です。調理法はとても簡単ですが、ポイントはメイン食材のサトイモを丸ごと一個使用することです。
コンニャク芋の生産量が盛んな山形県において、玉コンニャクも代表的な郷土料理。やはり、コンニャクの生産量は全国1位です。
昔から山寺に参拝する際に食べると力が湧くとされている名物です。しかしなぜ丸いのかという事やその起源については謎のようです。調理法は、シンプルにしょう油だけで煮込みます。
うるち米が原料で、ネーミングがユーモラスな「べろべろ餅」。起源は定かではありませんが、マタギの携帯食として利用されてきたそうで、米どころの山形県らしい郷土料理です。
棒状のものを千切って使います。すぐに柔らかくなりますが煮崩れしないのが特徴。お鍋や味噌汁の具材に、また、甘ダレ餅ベーコンにしたりグラタンに入れたりするのも人気です。
そばは信州が有名ですが、庄内地方も江戸時代からそばが作られてきており、「そばの里」としても有名。地域の特色があり、鶴岡羽黒地区の全粒粉を使用した「羽黒そば」や摩耶山麓の越沢集落の山芋をつなぎに使った「越沢そば」などの名物もあります。食べ方も特色があり「板そば」が代表的です。
板そばは、大きな長い板や木箱にそばを盛りつけ、農作などの共同作業などの後に振舞ったのが起源とか。「早く板につきますように(順調にいきますように)」との願いが込められているとか。動画では、おいしいそばつゆの作り方についてご紹介します。
普通のそばとは違い、そばの実を剥いて茹で、出し汁を掛けていただく「むきそば」。シンプルな味わいが人気。調理のポイントは、冷水でしっかり〆ること。シコッとした歯触りを楽しめます。
かつて関西方面のお寺などで食べられていましたが、江戸時代中期に酒田が繁栄した時代に一流料亭で食膳に出されたのが起源ではないかと言われています。
納豆汁は江戸時代から人気があり、特に寒い地方では、不足しがちな野菜代わりの栄養補助食品でもある名物料理。岩手県や秋田県でも食べられていますが、調理法に微妙な違いがあります。
山形県、特に山形市・新庄市などでは郷土料理として有名ですが、納豆をペースト状にして汁に投入。ワラビなどの山菜にキノコ、そしてサトイモの茎を干した「芋がら」も入れるそうです。
鮮魚などが入手しにくい山形県の内陸部では、棒鱈煮は貴重なたんぱく源。冬に獲れる真鱈を煮詰めることで長期間食べられるようにした郷土料理です。
硬いので一晩掛けて水で戻し、しょう油などの基礎調味料で味付けして煮込みます。そうすると身が柔らかく崩れて食べやすくなるのです。旨味が凝縮されているため、とてもおいしいのです。
水産資源に乏しい内陸の米沢市が発祥の鯉料理。領民の栄養源として上杉鷹山が福島県から稚魚を取り寄せて城のお濠で養殖。鯉こくや恋の甘露煮は、今でもお祝いの席で欠かせないお料理です。
泥臭いイメージがありますが、清流と冬の厳しい寒さで鯉の身が引き締まっており、クセのないおいしい味わいです。
山形県民の名物として有名などんどん焼きは、簡単に言うとお好み焼きを丸めたもの。江戸時代にもんじゃ焼きから派生し、東京を中心に人気が出たそうです。“どんどん”売れたことが命名とか。
現在は、東京ではあまり人気がないようですが、山形県などの一部の東北地方のローカルフードとして定着している名物料理です。
全国的に珍しい、スープ有りの冷やしラーメン。昭和20年代に「暑い夏もラーメンが食べたい」という常連さんの声を受けてお蕎麦屋さんが考案された山形名物。氷が浮かんだスープがポイント。鰹節や昆布、ごま油の風味が効いているスープに、冷水でキュッと〆た麺がよく合います。
氷で薄まるので、スープは濃いめに作るのが調理のポイントです。
新庄地区は本来、鶏がらスープのしょう油味が王道でした。とりもつラーメンが誕生したのは、居酒屋で常連客がメニューの鶏のもつ煮込みとラーメンを同時に注文して食べたことにあります。
この組み合わせの美味しさが広まり、やがて数十年前に一茶庵支店が提供して大人気に。その後、他のお店も追随して新庄市の名物に育ったのです。
枝豆で有名な品種と言えば、だだちゃ豆。濃厚な風味がおいしいと評判です。ルーツは明治時代に帰農士族の娘が、茶豆のなかで味の良い豆を見つけて種を大切に保存して育てたことにあります。
“だだちゃ”は、庄内地方の方言で「おやじ」「お父さん」を意味し、家長である「だだちゃ」にまず食べてもらうから、など諸説があります。
有名な三大和牛の一つである米沢牛は、米沢市や南陽市などの置賜地方の3市5町で飼育され、一定の基準を満たした黒毛和牛の呼称です。
明治時代に横浜から英語講師として招いた英国人が、米沢では食用ではなかった牛を連れてきたコックに調理させたことにあります。そのおいしさに一頭を連れて帰り、それが広まったそうです。
羊肉を中央が盛り上がっている鉄鍋で焼いて食べるジンギスカン。羊毛の飼育が盛んだった北海道を代表する郷土料理ですが、実は山形県の蔵王がルーツとの説もあります。
1915年頃に日本綿羊協会会長がモンゴルを訪問し、鉄兜で肉を焼くのを目撃。その後、羊毛の暴落を受けて1948年頃にモンゴルを真似て作ったとか。蔵王では数軒の専門店があります。
よく冷やした、キュウリやナスなどの夏野菜とシソやミョウガなどの香味野菜を5㎜ほどにみじん切りし、しょう油などで合えた「だし」。ご飯や豆腐に載せて頂きます。数時間置くと味がなじみ、よりおいしいだしの出来上がり。
市販品が売られていますが、村山地方では古くから食べられてきた郷土料理です。
山もあれば海もある山形県ですが、かつては、決して食資源が豊富ではありませんでした。そのような状況でも先人たちは苦労をして様々な郷土料理や名物料理を考案しました。隣接する県と似たような味があれども微妙な違いがあります。ぜひ、山形県ならではのおいしさを見つけに出掛けてみましょう。