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ここでは熊本県の郷土料理で使われる食材や熊本県の風土や気候などを大まかに解説していきます。また、気候風土や特産品に基づいた熊本県ならではの郷土料理を料理の由来や調理方法、使用している食材、特徴などの解説を加え、有名なものや人気なものなどの名物グルメを15個紹介していきます。
熊本地方では内陸気候、阿蘇地方では山地気候。球磨地方では内陸気候と山地気候に分かれており、天草・芦北地方は海洋性気候と4つに分類することができます。また熊本県は九州山地の西側に位置しているため東シナ海からの高温多湿な空気により梅雨の時期は年間降水量のおよそ4割も雨が降ります。熊本県全体での平均気温は13~17℃前後となっており比較的過ごしやすい気温です。
熊本県は多雨で地下水資源が豊富で、山と海に囲まれた自然に恵まれた土地です。そのため郷土料理で使用される食材の中には熊本県の特産品が多く、ここではその主な特産品をご紹介していきます。熊本県では、いちごやデコポン・スイカ・トマト・生乳・晩白柚・サラダたまねぎ・阿蘇高菜・ひともじ・水前寺もやしが有名です。海では、車海老やのり・タコ・鱧などが有名です。
有明海に面した干拓地で主に栽培されており、江戸時代から伝わる熊本県にしかない料理です。辛子蓮根は蓮根の穴に辛子味噌を詰めて衣をつけて揚げたもので、揚げたてのサクッとした食感と辛子のピリッとした味わいが特徴です。5月頃に出荷される「早出しレンコン」の産地です。蓮根には増血作用、辛子には食欲促進作用があります。
辛子蓮根の歴史は古く、加藤清正が熊本城の外堀に非常食として育てていた蓮根を用いて、病弱だった細川忠利に献上したことが由来とされています。また蓮根を輪切りにして見た時の断面が、細川家の家紋に似ていることからこの料理は門外不出であったという伝説もあります。
火山灰の壌土と寒冷の気候によってできた阿蘇特有の高菜は、茎がピリッと辛くご飯のお供によく合います。阿蘇高菜は耐寒性があり、平地の茎に比べると小さめで漬物に向いているのが特徴です。高菜はもともと中央アジアが原産で、中国よりシルクロードを渡って伝わりましたが、栽培の始まり自体は古くからありその由来は不明です。
阿蘇高菜は阿蘇地方でしか取れず、3月の中旬から下旬の間ですべて手で収穫するので「高菜折り」と呼ばれています。弱めの塩分で数日漬けた「新漬け」と強めの塩分で1年くらい漬けた「古漬け」があります。阿蘇高菜は水でサッと洗い流して軽く手もみをします。お好みの量で醤油をかけて食べます。
だご汁は体の芯から温まることのできる料理で、昭和の初期頃にはすでに食べられていました。昔の忙しい農民の人々が、簡単にかつ早く栄養豊富でお腹が膨れる料理として編み出したものです。もともとは自家製の野菜や根菜類など、あり合わせの材料で作られていました。
日本にはだご汁のような料理が数多く存在しますが、熊本県のだご汁は小麦粉をこねたものを少し平らにして手でちぎった形が多いです。「だご」とは、小麦粉で作ったすいとん状のものの事で、熊本県ではだんごをだごといいます。また球磨地方では「だごじゅる」といいます。出汁に味噌や醤油で味付けをし、根菜類やきのこ、こんにゃくなどを入れて、こねた小麦粉を入れます。
一文字ぐるぐるは元来、宮中の女房言葉で「ヒトモジグサ」と言われており、それをぐるぐる巻くことから一文字ぐるぐると呼ばれるようになったといいます。この料理が出来たきっかけはおよそ200年前の肥後細川藩6代目当主細川重賢の時代にあります。当時に財政が厳しく、そんな状況下で安価でおいしいお酒の肴として編み出されたものが始まりと言われています。
ひともじをサッと茹でて冷水に通して葱を根の部分で巻いて酢味噌を添えて食べます。「ひともじ」とは、根元のりん茎が肥大する分葱の一種で、昔はネギのことを葱「き」と一文字で呼ばれており、その名残で一文字と言われています。
いきなり団子の名前の由来には諸説ありますが、その一つにその名の通り突然の来客にもてなすための即席の郷土菓子が由来であることが言われています。ほかには、短時間で作ることが出来る意味の「いきなり」作ることができるや、生の芋を調理する「行き成り」などがあります。また、いきなりには古い意味で、簡単という意味があります。
地元民はいきなり団子を「いきなりだご」と言います。小豆の餡と中力粉やだんご粉などで練った生地でくるんで蒸したもので、一般家庭でも作らており和菓子屋では様々なものが売られています。甘さが控えめで蒸したては特においしいです。またサツマイモは食物繊維が豊富でミネラルやビタミンなども多い緑黄色野菜です。お土産としても人気の郷土菓子です。
馬刺しは熊本県の郷土料理の中でも有名ですが健康食としても有名です。馬肉は低カロリーで、コレステロールも低く、高タンパク質です。馬肉の脂身は融点が低いため舌の上でとろけます。諸説ありますが、もともとは加藤清正が経済難の際に肥後藩に広めたという説があります。また切り口が薄紅色になることから「桜肉」とも言われています。
大まかにトロ・霜降り・赤身・こうねの4つの部位に分けることが出来ます。また、こうねとはたてがみの生える部分の脂肪のことで、1頭から取れる量が少ないので重宝されています。刻みネギやおろししょうが、おろしにんにくなどととも醤油につけて食すのが一般的な食べ方です。
太平燕はもともと中国の料理でしたが、明治時代に中国の華僑により熊本に伝えられたことが始まりでした。そこから熊本県独自のアレンジを加えていき今の太平燕が出来たのです。中国から伝わって来た太平燕はアヒルの卵を使用したスープワンタンのようなものでした。これをアヒルの卵の代わりに鶏の卵、扁肉燕の代わりに春雨を使用しました。
これによってスープ料理から麺料理に変化したと言えます。作り方は、豚肉・野菜を炒めて鶏がらスープを加え1分程煮ます。そこに魚介類などを加えて味を調節していき完成です。この太平燕は熊本県ではかなり有名な上に人気で、学校の給食にも出されるほどです。
田楽は日本全国にありますが、高森田楽は約250年前、京都や出雲の田楽を食べて感激した高森の村人が自分の村でも、と応用したのがきっかけと言われています。そもそも田楽とは五穀豊穣を祈って舞った田楽舞という儀式に参加する時に手軽さを重要視されて様々な具材を串刺しにして焼いたことがきっかけとされています。高森田楽も神事の際には食べられます。
ヤマメやサワガニ、芋など阿蘇高森で取れる食材をふんだんに使った料理となっており、阿蘇地方の自然や歴史を感じながらゆず味噌や山椒味噌とともに食べる田楽は満点の美味しさです。
高菜めしの始まりは意外にも最近で庶民的なものでした。昭和43年、市ノ川駅前の「あそ路」の初代店主の母が夕ご飯に作っていたものがその原点です。そして初代店主の兄弟のうちの一人が商品化することを提案したことがきっかけでした。初て商品化をしてからそれが広がって阿蘇の郷土料理となったと言われています。
浅漬けした高菜を細かく刻み、炒めた後ごはんと炒り卵に混ぜて出来上がりです。高菜によるシャキシャキの食感と少しピリッと感じる辛さは絶品です。高菜めしは阿蘇高菜を古漬けしたものを使用します。
まずアラカブとは、ガラカブとも言われておりカサゴのことを指します。カサゴは赤褐色から山吹色の体と大きめのヒレを持っており、からあげや煮つけなどにするとおいしい魚です。特にアヤメカサゴのことを熊本県民はガラカブまたはアラカブと呼んでいます。
少しさくら色がかった白身で刺身にすると癖がなく上品な味わいです。また刺身を炙ってもおいしいです。捌いた刺身をポン酢や醤油に軽くつけて食べると絶品で、また日本酒とも相性が良いです。
九州ではラーメンといえば博多ラーメンが有名ですが、熊本ラーメンも九州の郷土料理の一つです。熊本ラーメンは、福岡の久留米から流れてきたラーメンですが、博多ラーメンに比べると麺は太めで少し硬めです。また、スープは当日に使い切り継ぎ足しがないことも博多ラーメンとも大きな違いです。コクがあり、とんこつベースで鶏がらを入れます。
また熊本ラーメンならではの香ばしいニンニクのチップスやマー油などの盛り付けがあります。豚骨の臭いが抑えられていることも特徴です。マー油とはにんにくを揚げて作った油のことです。熊本ラーメンで有名な店は「こむらさき」で、ラーメン好きには人気のお店です。
熊本のラーメンといえば上に挙げた熊本ラーメンが有名ですが、もう一つの名物ラーメンがあります。それは玉名ラーメンです。熊本ラーメンは久留米から伝わったと言いましたが、詳しくは久留米から伝わり玉名を経由して熊本に伝わったので熊本ラーメンの大元とも言えます。しかし博多ラーメン同様、スープは当日に使い切るということはないです。
熊本ラーメンよりも豚骨感が強くこってりしており、麺は中細ストレートで柔らかいのが特徴です。焦がしにんにくの盛り付けがあり、これは客の好みに合わせて店側が焦がしにんにく特を盛り付けることも特徴の一つです。また、熊本ラーメンと比べて、1玉あたり15グラムほど量が多くなっています。
熊本を含めた九州ではヨモギを「ふつ」と呼んでいて、ヨモギ餅を「ふつもち」といいます。特に春先の新芽が良い香りです。このふつもちの作り方は、まずあんこを丸めて、餅の生地を作ります。そこからヨモギをミキサーにかけてから、先程作った餅の生地とヨモギを混ぜ合わせてこね合わせます。あんこを入れて包んで完成です。
すべて手作業の「手延べそうめん」で、歴史も長く250~300年も続いていると言われています。由来の一説には、南関町に立ち寄った中国で修業を積んだ小豆島のそうめん職人から製法を伝わったとあります。ここがそうめん作りの気候と風土に合っており、上質の小麦粉や食用油が製造されていたため製法を教えたと言われています。
また参勤交代の際には幕府や明治天皇に献上されていたり、北原白秋も愛しており白糸のようだと言ったと言われています。それほど白くて非常に細いのが特徴です。また生産量が限られており、現在は9軒の店が伝統的な製法で作っています。
つぼん汁とは、もともと深い壺を用いてこの汁を作っており「つぼの汁」からきています。もともとは秋祭りで用意されたものでしたが、現在でも正月や祭りなどの祝事には欠かすことのできない汁物で、赤飯と必ずセットで出されます。
濃口醤油仕立てで、鶏肉やゴボウ、サトイモ、大根、ニンジンなどの野菜、干しシイタケ、えのきだけなどのきのこ、焼き豆腐、油揚げ、こんにゃくなどが入ります。しかし材料や出汁については地域などによって様々です。
いかがでしたか。
今回は熊本県の郷土料理15選を人気なものから有名なものまで一気に紹介してきましたが、どれも熊本県の特産品や気候風土に合った技術などを活かしたならではの料理でした。中には歴史の長いものまでありました。食を通して歴史を学ぶのもいいです。熊本県に立ち寄る機会があれば、今回の記事を参考にして是非とも口にしてみてはいかがでしょうか。