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滋賀県の郷土料理をいくつご存知ですか? 滋賀県の郷土料理は、全国的にはあまり知られていません。ですが、実は、湖や河川で獲れる自然の恵みと、その周りの平野で作られる野菜を存分に生かした料理がたくさんあるのです。
滋賀県は四方を山脈に囲まれた盆地です。盆地では夏暑く、冬底冷えするのが一般的ですが、滋賀県は県の面積の6分の1を占める琵琶湖があるおかげで、比較的暑さ・寒さとも穏やかで、過ごしやすい気候です。
ただし、山間部や北部では冬の寒さが厳しく、一部の地域は豪雪地帯となっています。
琵琶湖には現在、54種の魚が生息していると言われています。滋賀県では、これらの魚を含め、琵琶湖で獲れる魚介類を用いた料理が、郷土料理として古くから親しまれてきました。また、琵琶湖の沿岸部を中心とした平野では、米や野菜の栽培も盛んに行われており、地元で栽培される野菜を取り入れた料理も多数あります。
滋賀県の名物郷土料理で最も有名なもののひとつが、鮒寿司です。伝統的な鮒寿司は、琵琶湖の固有種、ニゴロブナを使って作られてきました。鮒寿司の歴史は古く、奈良時代の文献にも記載があります。独特の臭いがするため好き嫌いの分かれる料理ではありますが、やみつきになってしまう人も多くいます。
鮒寿司は、塩漬けにしたフナを米とともに発酵させて作る、いわゆる「なれずし」です。冷蔵庫がなかった時代には、保存食として重宝されたほか、神事の際にも用いられてきました。また、乳酸菌を多く含む鮒寿司は、お腹の調子が悪いときの薬としても用いられてきました。
近江八幡市で伝統的に作られてきた名物の赤いこんにゃくが、「赤こんにゃく」で、その名のとおり、全体が真っ赤なこんにゃくです。赤こんにゃくが作られるようになった経緯には諸説あり、一説には、滋賀県安土城主の織田信長が着用していた赤い陣羽織にあやかったとも言われています。
赤い色は唐辛子ではなく、三二酸化鉄によってつけているため、辛みはありません。そのため、普通のこんにゃくと同様に料理で使うことで、おいしく食べることができます。また、色味が鮮やかな赤こんにゃくは、それだけで一品としても見栄えがするため、人気があります。
「とんちゃん」と呼ばれる料理は日本各地にいくつかありますが、滋賀県高島の「とんちゃん」とは、味噌だれで味付けした鶏肉のことです。
高島市の鶏肉専門店「鳥中」で販売されている味付けかしわが、いつの間にか「とんちゃん」と呼ばれるようになり、高島の家庭料理として親しまれるようになったと言われています、
のっぺいうどんは、滋賀県北部の長浜市の郷土料理です。のっぺいうどんの特徴は、とろみのついたあんがかかっていることです。これは、冬の寒さが厳しい長浜市で、食べ終わるまで温かさを保てるようにするための工夫と言われています。寒い日に、体を温めたいときにおすすめの郷土料理です。
若狭湾で獲れた鯖を京へ運ぶ交易路、「鯖街道」の途中にある長浜では、鯖を使った料理も伝統的に作られてきました。その中でとくに有名なものが、焼き鯖そうめんです。長浜では、農作業が忙しくなる5月に、農家へ嫁いだ娘へ母親が焼き鯖を届ける「五月見舞い」という習慣があり、その鯖を使って手軽に作れるおいしい家庭料理として親しまれてきました。
焼き鯖を使って作る伝統的な方法以外に、鯖の缶詰を使って作ることもできます。
琵琶湖には、他の地域に生息する鮎のようには大きくならない、体長10センチ以下と小さい鮎が生息しています。「小鮎」と呼ばれるこの魚は、鮎の稚魚ではなく、琵琶湖にしか生息しない特殊な鮎です。
骨が柔らかいため、全身を食べられるのが特徴で、滋賀県ではこの小鮎を様々な料理に利用してきました。代表的なものとしては、小鮎を甘辛く煮た甘露煮がおいしい郷土料理として親しまれています。
琵琶湖の固有種、ホンモロコも、滋賀県では古くから食材として用いられてきました。ホンモロコは一年中獲れる魚ですが、季節によって味が変化します。一般に、夏は比較的淡白な味ですが、冬は身がしまって脂がのります。
ホンモロコは、天ぷらや佃煮など、様々な方法で調理されますが、手軽にホンモロコの味を堪能できる調理法として、塩焼きが人気です。
えび豆は、琵琶湖で獲れるスジエビと大豆を煮込んで作られる滋賀県の郷土料理です。えびのように腰が曲がるまで、いつまでもまめに生きられるという意味で、縁起のよい料理ともされています。
滋賀県では、一年中獲れるスジエビを用いたこの料理が、伝統的なおいしい家庭料理として親しまれてきました。スジエビは小さく、殻ごと食べることができるえびですが、滋賀県外でスジエビが手に入りにくい地域で作る場合は、サクラエビなどの小エビでも代用できます。
冬になると、琵琶湖にマガモが飛来します。このマガモをネギなどの野菜や豆腐と煮込んで作る鴨すき鍋は、滋賀県北部の湖北地方の郷土料理です。脂肪を蓄えた冬の鴨は、おいしいだけでなく、たんぱく源としても重要だったと言われています。
現在、琵琶湖ではマガモの猟が禁止されているため、琵琶湖産のマガモは食べられませんが、新潟など他地域産のマガモを使ったり、合鴨を使ったりすることで、鴨すき鍋の伝統的な味は今でも人気の郷土料理として受け継がれています。
一般的な麩は丸い棒状の形をしていますが、滋賀県の名物として知られる丁字麩は、四角い形をした麩です。近江商人が旅をして回るときに、棒状の麩は折れてしまいやすいため、折れにくいよう四角い形の麩が作られるようになったとされています。また、名前の由来は中国から伝わった体によい漢方の「丁子」にあやかったとも言われています。
煮崩れしにくいため煮物に使われることもよくありますが、手軽に丁子麩を味わえるおいしい料理として、からし和えも人気です。
琵琶湖にしか生息しない魚、ビワマス。この魚は、身の見た目も味も鮭に似ていますが、海ではなく琵琶湖と川を行き来して生きています。旬の夏には、脂がのったおいしいビワマスが獲れますが、漁獲量はあまり多くなく、特に関東地方など、滋賀県から遠い地域にはめったに流通しません。
そのおいしさから、「琵琶湖のトロ」と呼ばれることもあるビワマスの刺身は、滋賀県では絶品の郷土料理として知られています。
日野菜は、室町時代に滋賀県日野町に自生していたものを、当時の領主が発見したと言われる野菜です。領主が漬物にしてみたところ、おいしかったため栽培が始まったとされ、現在では滋賀県外でも栽培されています。地元では「あかな」とも呼ばれるこの野菜は、かぶの一種で、根は細く、根の上の部分から茎にかけては紫色をしています。
辛味と苦味がある日野菜は、サラダなどにも使うことができますが、伝統的には漬物として食されてきました。
滋賀県の北にある余呉湖では、冬になるとワカサギ釣りに訪れる人でにぎわいます。近年漁獲量が増えている余呉湖の新鮮なワカサギを使った料理は、余呉湖周辺の料理店でも食べることができます。しかし、自分で釣ったワカサギなどを自宅で調理する場合は、天ぷらなど、簡単にできる料理でも、ワカサギのおいしさを楽しむことができます。
琵琶湖から流れ出る川、瀬田川で獲れるしじみは「セタシジミ」という滋賀県の固有種です。このセタシジミは、他地域のしじみと比べて濃厚なうまみが特長とされます。セタシジミは、昔と比べると漁獲量が減少しているものの、現在でも滋賀県で広く流通しています。
セタシジミは一般的なしじみと同様、味噌汁など様々な料理に用いられますが、滋賀県名物の郷土料理としては、しじみご飯が特に有名です。
全国的にも有名なブランド牛、お近江牛。ブランド化されたのは比較的近年になってからですが、滋賀県産の牛肉は400年以上前から、味噌漬けや干し肉として日本各地へ流通していたとされます。近江牛は現在でも高級牛肉として知られており、ステーキなど様々に調理されたものが人気を集めています。
滋賀県の郷土料理は、全国的にはあまり有名ではありません。しかし、全国最大の湖、琵琶湖で獲れる魚や、その周りに広がる平野で作られる野菜など、地元産の食材をふんだんに利用した伝統的な料理が、今でも家庭料理として多く残っています。このような滋賀県名物の郷土料理を、滋賀県へ食べに行くことはもちろん、ご自宅でもぜひ作ってみてくださいね。