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まずはこちらの動画をご覧ください。あるYouTuberの方がゲーム実況をしているもので、途中から播州弁のフレーズを使って解説されています。きっと播州弁が荒々しく汚いように聞こえる方も多いのではないでしょうか。今回は関西一どころか日本一汚いとさえいわれる播州弁という方言について見ていきましょう。
兵庫県でも姫路市など播州地域で使われる方言である播州弁は、「汚い」や「荒っぽい」、「なんだか乱暴」とよくいわれます。はたして播州弁はどのような特徴を持った方言なのでしょうか。ここではまず、播州弁が持つ代表的な特徴について3点ご紹介いたします。
播州弁の大きな特徴は、まず濁音の多さが挙げられ、実は数ある方言の中でも播州弁に怖いイメージがある理由とされています。播州弁の語彙やフレーズは国内の方言でも濁音が含まれているものが多く、濁音を発音する際はつい力がこもってしまいがちです。力がこもりやすい分、威圧的に聞こえたり上品さがないように見えたりします。
播州弁が持つ特徴として次に挙げられるのが、語尾のイントネーションやなまりが強めであるという点です。語尾のイントネーションで力が入るためですが、その点が語彙やフレーズで濁音が多い点と合わさって、播州弁のなまりがきつく聞こえるように見える原因といえます。
播州弁が持つ意外な特徴として、方言でも比較的ら抜き言葉が多いという点があります。例えば「寝られる」の場合でも、「寝れる」と表現することが一般的です。標準語では避けるべきら抜き言葉ですが、播州弁では一般的であるため、方言の特徴として優しく受け入れると良いでしょう。
播州弁には独特の珍しかったり面白く感じたりする方言が数多くあります。特によく使われる独特の方言を10個選びましたので見ていきましょう。イントネーションやなまりを意識して使うとより方言らしさが出てきます。
標準語で「したくない」という意味です。何かをやりたくないときに使います。
例文「学校の宿題なんてしとみないわ」
標準語「学校の宿題なんてしたくないよ」
標準語で「両替する」という意味です。特に大きな金額から小さな金額に両替するときに使います。
例文「すみません、この5千円札、千円札につぶしてください」
標準語「すみません、この5千円札、千円札に両替してください」
標準語で「壊れる」という意味です。何か物が壊れた場合などに使われます。
例文「テレビのリモコンがめげてもうた」
標準語「テレビのリモコンが壊れてしまった」
標準語で「なんとか」という意味です。ぎりぎりで何かを成し遂げたときなどに使います。
例文「どとこそテストに合格したわ」
標準語「なんとかテストに合格したよ」
標準語で「つまらない」という意味です。暇を持て余している場合や面白みを感じられない場合などに使われます。
例文「ほんま、あの劇団の演技はだっちょもないの」
標準語「本当にあの劇団の演技はつまらないね」
標準語で「ぽつぽつ」という意味です。雨が少し降ってきた場合に使われます。
例文「外で雨がぴりぴり降っとるわ」
標準語「外で雨がぽつぽつ降ってきているよ」
標準語で「ゆがむ」という意味です。物がひん曲がった場合などに使われます。
例文「ハンガーで遊んでいたら、いがんでもた」
標準語「ハンガーで遊んでいたら、ゆがんでしまった」
標準語で「帰る」という意味です。家や会社に戻る際などに使われます。
例文「田中君がもういぬって」
標準語「田中君がもう帰るって」
標準語で「おでこ」という意味です。額関係を指す際に使われます。
例文「なんか、でぼちんが腫れとるんやけど」
標準語「なんだか、おでこが腫れているんだけど」
標準語で「ふざける」という意味です。不真面目に振舞っているときなどに使われます。
例文「おいあんた、ほたえるなよ」
標準語「おいあんた、ふざけるなよ」
播州弁の語尾は、イントネーションやなまりの面で汚いイメージを根拠づけていますが、どのような語尾なのでしょうか。ここでは播州弁独特の語尾を5つご紹介します。
標準語で「している」という意味です。誰かがやっていることについて表現する際に使います。
例文「あんた、今日は何しよん?」
標準語「あなた、今日は何しているの?」
標準語で「~ですか」という意味です。誰かに質問する際に使われます。
例文「君、大学で何学んどるんけ?」
標準語「君、大学で何を勉強しているの?」
標準語で「~している」という意味です。ある人が何かをやっているさまを指します。
例文「ちゃんと仕事しょるんけ?」
標準語「ちゃんと仕事しているの?」
標準語で「ですか?」という意味です。ネガティブな感情を伴って、相手に何かを聞く際などに使われます。
例文「これはいったい、どないなことどいやー?」
標準語「これはいったい、どういうことなの?」
標準語で「ですよ」や「しますよ」という意味です。相手に説明したり提案したりする際に使われます。
例文「ちょっとビール買ってきまっせ」
標準語「ちょっとビール買ってきますよ」
播州弁にもほかの方言と同じように日常会話で使われるフレーズや言葉があります。ここでは播州弁で日常的に使われる方言のフレーズをご紹介しましょう。
標準語で「大丈夫」という意味です。自分の状態が良い場合や相手の状態を察する場合に使われます。
例文「そんなに食べて、べっちょないんけ?」
標準語「そんなに食べて、大丈夫なの?」
標準語で「あほ」という意味です。主に相手を罵る場合や指摘する場合に使われます。
例文「そんなわけないやろ、ダボ」
標準語「そんなわけないだろ、あほ」
標準語で「小さい」という意味です。物事が自分から見て小さいことを指す場合に使われます。
例文「なんでそんなこんまいことを気にするん?」
標準語「どうしてそんなに小さいことを気にするの?」
標準語で「かっこつける」という意味です。見栄えよく見せているさまに使われます。
例文「あいつ、神戸で買った服着て伊達こいとんな」
標準語「あいつ、神戸で買った服を着てかっこつけているな」
標準語で「手伝う」という意味です。手を貸してほしい場合などに使われます。
例文「ちょっと、洗濯てったってや!」
標準語「ちょっと、洗濯手伝ってよ!」
標準語で「とても」という意味です。何かを強調したい場合に使われます。
例文「あんたの作ったたこ焼き、ごっつうまいで」
標準語「あなたの作ったたこ焼き、とってもうまいよ」
標準語で「せえらいて」という意味です。相手を応援する場合に使われます。
例文「明日の試合、せえらいて」
標準語「明日の試合、頑張って」
播州弁にもかわいいと感じられるような方言があります。ここでは播州弁でよく使われるかわいいと感じられるフレーズや言葉をご紹介しましょう。優しさと愛情をこめてきちんと伝えれば、かわいいと感じてもらえます。
標準語で「私のこと好き?」という意味です。愛情を確認したり告白を促したりする際に使われます。
例文「ほんまにうちのこと好き?」
標準語「本当に私のこと好き?」
標準語で「とても好きだよ」という意味です。相手に愛情を示す際に使われます。
例文「あんたのこと、バリ好きやで」
標準語「あなたのこと、とっても好きだよ」
標準語で「そんなことあるものか」という意味です。信じられないようなことを確認する際などに使われます。
例文「太郎が東大に受かったって?そんなことあっかえ」
標準語「太郎が東大に受かったって?そんなことあるものか?」
標準語で「ものすごく愛している」という意味です。心底愛している気持ちを伝える際に使われます。
例文「あんたに言いたかったんやけどな、でぇれ愛しとる!」
標準語「あなたに言いたかったんだけど、ものすごく愛してる!」
標準語で「俺のこと好きって言った?」という意味です。告白された男性が確認する際に使います。
例文「今、俺のこと好きっちゅーた?」
標準語「今、俺のこと好きって言った?」
兵庫県の播州地域独特の固有名詞も播州弁の中でいくつかあります。ここでは播州弁ならではの固有名詞を示す方言を見ていきましょう。
標準語で「今川焼」という意味です。兵庫県姫路市にある同名のメーカーが語源で、今川焼のことを話す際に使われます。
例文「学校帰りに御座候買いに行くん?」
標準語「学校帰りに今川焼、買いに行くの?」
標準語で「ミニバイク」という意味です。兵庫県でかつて生産されていたポインターというバイクが語源で、ミニバイクについて話す際に使われます。
例文「あんちゃんのぽいんた、ごっつスタイリッシュやで」
標準語「お兄ちゃんのミニバイク、とてもスタイリッシュだよ」
標準語で「旧家」という意味です。名家出身の方と話したり、その方を話題にしたりする際に使われます。
例文「うちらの担任、ええしの生まれらしいで」
標準語「私たちの担任、旧家の生まれらしいよ」
標準語で「新品」という意味です。新品を購入したり、あるいは話題にしたりする場合などに使われます。
例文「姉ちゃんのパソコン、ほんまさらやん」
標準語「お姉ちゃんのパソコン、本当に新品だね」
標準語で「分家」という意味です。分家のことを話題にする場合に使われます。
例文「しんたくの叔父さんが、今度遊びに来るん?」
標準語「分家の叔父さんが、今度遊びに来るの?」
兵庫県でも岡山寄りで使われる播州弁ですが、この方言を使いこなす芸能人には誰がいるのでしょうか。代表的な人物として、まず女優やファッションモデルとして活躍しているのん(能年玲奈)さんがいます。またお笑い芸人として有名な陣内智則さんもコントで播州弁を使うことが多いです。
兵庫県でも姫路市など播州地域で使われている方言である播州弁について見てきました。播州弁には「汚い」や「怖い」といったイメージがありますが、実際はなまりが強めというだけで、中にはかわいい表現もあります。慣れてしまえば愛嬌のある方言といえますので、ぜひとも先入観を捨てて親しんでみると良いでしょう。