PR
住所 | |
---|---|
アクセス | |
営業時間 | |
最寄駅 | |
電話番号 |
香川県は年間を通して日照時間が長く、晴れが多く雨が少ない瀬戸内海式気候です。比較的温暖で夏は暑く、冬は降雪が少ないのが特徴です。海陸風と呼ばれる、昼は海から陸へ、夜は陸から海へ風向が変化する風が吹きます。
香川県で有名な食材といえばうどんです。原材料の小麦は降雨量が少なくても育ちます。香川県の気候が適していたので小麦が盛んに栽培され、うどん作りに繋がり、香川を代表する人気食となりました。うどんのつゆに必要な醤油も有名で、全国3位の生産量を誇ります。
しっぽくうどんは秋から冬の寒い時期に食べられる地元で人気の郷土料理です。季節の野菜をたくさん使い、香川の名物食材のうどんに温かい出汁をかけます。大晦日に年越しそばの代わりとして食べる家庭もあります。
「しっぽく」は漢字で卓袱と書きます。卓袱とは長崎県で有名な宴会料理で、大皿に盛られたコース料理のことを指します。その中の一品にうどんがあったことから、今では大きな器に沢山の具材をのせたうどんを、しっぽくうどんと呼ぶようになりました。
お好みの季節野菜を食べやすい大きさに切ります。油揚げは短冊切りにし豆腐は角切りにします。煮たてた出汁に具材を入れ、全体に火が通ったら、茹でたうどんを器に盛り、出汁をかけます。
まんばのけんちゃんは冬場の寒い時期に食卓に出る香川を代表する名物家庭料理の一つです。「まんば」とは、高菜類の葉野菜で、寒い時期になるとやわらかくなり甘みが増します。漢字で「万葉」と書き、冬場から春にかけて次から次へと葉を伸ばすことから万葉と名付けられました。「ケンちゃん」とは語源である「けんちん」が訛ったもので、細切り野菜を炒め豆腐と合わせた精進料理を指します。
まんばは茹でて水にさらし、1.5センチくらいに切ります。油あげは短冊切りにし豆腐は水気を切っておきます。油を熱した鍋に煮干しを入れて炒め、次にまんばを入れます。豆腐は手でくずしながら入れ、油あげも入れます。最後に出汁、醤油で味を調えます。
てっぱいは、ため池の多い香川県ならではのフナを使った有名な郷土料理です。冬場に捕れる寒ブナは臭みがなく脂がのっていてたいへんおいしい魚です。冬場、水を抜いた池のフナを使いますが、近ごろはフナが手に入りにくいので、コノシロやサバで代用する場合もあります。語源は、フナを鉄砲と呼ぶことから「鉄砲和え」と名前がつき、いつしか「てっぱい」と呼ばれるようになりました。
フナは細切りにし酢でしめておきます。大根は短冊切りにし、塩を振ってもみ、しんなりしたら水分をよく切ります。白みそ、砂糖、酢を合わせた調味たれを作り、大根と合わせ混ぜます。酢でしめたフナも合わせ、最後に小口切りにした細ネギと一味唐辛子をかけてできあがりです。冬場の大根は水分や甘みが増すのでさらにおいしいてっぱいになります。
しょうゆ豆は雨が少なく乾燥しがちな土地を利用し栽培されたそら豆を使った、香川県を代表する郷土料理です。そら豆は米の裏作として栽培され、しょうゆ豆は家庭料理や集落の行事の際に作られ、こどもから年配の方にまで愛される名物料理です。スーパーやコンビニ、学校給食にも出されるほど人気となっています。
発祥した経緯は、そら豆を保存食にするため煎っていたところ、あやまってしょうゆの壺の中に入れてしまい、時間が経ってからそら豆を取り出し食べてみたところ、大変おいしい豆になっていたのが始まりだと言われています。
魚の三杯は瀬戸内海でとれた魚を焼き、三杯酢に漬け込んだ料理です。南蛮漬けのように油で揚げずに、焼いた魚を酢に漬けるのでさっぱりしています。暑い夏場、酒客のおもてなし料理としてぴったりの一品です。
アジやままかり、きすご、たなご、ねばこち等を使用し作ります。秋口には旬のアジを使うといっそうおいしい魚の三杯になります。保存性がいいので、冷蔵庫に入れておけば一週間ほど日持ちします。
わけぎあえは季節野菜のわけぎを使う料理で、昔から農家の家庭の食卓に出されている人気の一品です。香川県のわけぎは太く白い部分が長く、甘くてやわらかいのが特徴で、春の時期が一番おいしい野菜です。タコやまて貝、あさりと和えるのが一般的ですが、油揚げやちりめんじゃこを入れる家庭もあります。
わけぎあえの作り方は、わけぎを白い部分と青い部分を3センチほどの長さで切り、茹でます。次に、塩を一つまみ入れたお湯にタコを入れて茹で、一口大に切ります。白みそ、辛子、酢、砂糖を混ぜ合わせ、冷ましたわけぎとタコを入れます。
押し抜きずしは、魚へんに春と書き、字が表すように春が旬の魚、鰆(さわら)を使った料理です。春祝魚(はるいお)、さわら初穂といわれる、農閑期に農業の手伝いや親せきを招いて旬のさわらを使った押し抜きずしでもてなす習慣があります。春から初夏のさわらは産卵をひかえているので脂が乗っていてたいへんおいしく、瀬戸内では漁が盛んになります。
押し抜きずしは、さわらやソラマメ、卵を使うので彩り良く、酢飯やさんしょの葉の香りが食欲をそそる一品で香川を代表する名物料理です。
なすそうめんは、暑い夏にどちらの家庭でも手軽にできるとして重宝するそうめんと夏野菜のナスを合わせた香川の郷土料理です。具材はナスと油揚げを使います。いりこ出汁をナスと油揚げが吸ってよりおいしくなり、大ぶりな具をのせるので、主食として十分食べ応えがあり、家庭での人気料理となっています。
そうめんの生産地ならではの料理で、ほかに北陸地方や奈良県でも食されます。
なすびごはんは、夏野菜のナスを具材にしたご飯で家庭の食卓によく出されます。昔の農家は草取りが忙しく、あいまになすびごはんを口にしながら休憩をとり、再び作業に励んでいました。
かつては手軽に作れるようにと、味付けしたナスとご飯を混ぜるだけの簡単な物でした。現在では子供に食べやすいにうに、また見栄えもするとして、酢飯を使い油揚げやエビを混ぜるようになりました。
どじょう汁は、どじょうとたっぷりの野菜、太めのうどんを煮込んだ香川県の名物料理です。どじょうは産卵期の6,7月が一番おいしいとされ、夏バテ防止のスタミナ食として利用されており、香川県ではどじょう汁をメニューとしている飲食店があります。
どじょうは、川の底に溜まった土砂や汚れを落とす川ざらいの時や、田植え後の川やため池から捕れます。昔は男性と子供が泥だらけになりながらどじょうをすくい、うどんを打つのも、どじょう汁を作るのも男性の役割でした。また、大釜でたくさんのどじょう汁を作り、近所の親しい方たちと寄り合って食べていました。
ずいきのぬたあえは里芋の葉や茎の部分であるずいきを使った料理で収穫の最盛期である秋祭りなどで作られています。昔から「血の道を通す」、「古血を洗う 」といわれ血をきれいにしてくれる事から産後の女性が食べると良いとされています。
えぐみが少なく、やわらかいものは食用とされ、皮を除いて水にさらして干したり、茹でて冷凍保存もできるので1年を通して食べられる食材です。
あんもち雑煮は香川県の正月の定番料理です。いりこだしと白みそを合わせ、あんこ入りの丸もち、人参や大根、サトイモなど沢山の具材と入れて作ります。縁起の良い食材を使う正月料理のおせちと同様に、円満に家族仲良く暮らせることを願い、輪切りの野菜を使います。
あんの入った餅を雑煮に使うのは珍しく、これは江戸時代から使われ始めたと伝えられています。年に一度のおめでたい正月くらいは贅沢をしたいと、讃岐三白と呼ばれた名産品である、塩、砂糖、木綿の内のひとつの砂糖を使い始めたのが発祥と言われています。
打ち込み汁は寒い時期に農家の家庭料理として食卓にだされる一つです。たくさんの季節野菜と塩が入ってないうどんを使って作ります。昔は農作業を一足早く切りあげて帰宅した主婦がうどんを練り、手早く仕上げる料理でした。
一般的には味噌ベースで作られますが、しょう油を入れる家庭もあります。名前の由来は、打ったばかりのうどんを使って煮込むことから「打ち込み汁」と名付けられました。
いりこめしは、片口いわしで出汁を取り、いわし自体も具材として使う香川県で昔から親しまれている郷土料理です。春の瀬戸内海に群れでやってくる片口いわしを干していりこ(煮干し)にした物を使い、季節野菜もたくさん入れて作ります。
いりこは良い出汁としてだけでなく栄養(タンパク質、カルシウム)を補う食材として重宝されています。具材は大根や人参、サトイモ、ゴボウ、こんにゃく、油揚げを入れるので栄養バランスの良いごはんです。
女木島、男木島で昔から栽培されてた落花生、別名(南京豆、ピーナツ)を砂糖で甘く味付けした生産地ならではの料理です。落花生は高温や乾燥を好む作物なので、雨の少ない香川県は栽培に適しているのです。
女木島、男木島ではおせち料理に欠かせない黒豆を落花生を代わりに使用て作ります。黒豆を煮る時と同様に、豆についた薄皮がやぶれないように弱火でコトコト長時間煮て仕上げます。
香川県と言えばうどんと言われる程、うどんが有名ですが、今回紹介したように地元食材を使った郷土料理が他にもたくさんあります。香川県を訪れる機会があれば、紹介した料理を一度味わってみて下さい。